週イチ日記

2012.04.30

文楽

先日、国立文楽劇場で文楽を鑑賞した。
この文楽(人形浄瑠璃とも言う)、東京を含む関東地方では人気があり常に満席であるとも聞くが、発祥の地である大阪ではさほどでもなく、過去に何度か行っているが、少し空席が目立つ様に感じる。
毎回プログラムを購入してざっとあらすじや解説に目を通してから観劇する。
最近は舞台の上部に字幕が出るようになり、わかりやすい反面、字幕を読んでいると舞台から目が離れてしまうので良し悪しだが、初心者にはありがたいことだと思う。
さて今回の演目は「加賀見山旧錦絵」。
お家乗っ取りを企む悪党に罠にはめられ、忠義の為に我が子の命をも差し出した挙げ句、本人もその妻も死んでしまう忠臣の悲話の後、同じ悪党に対して別の忠義の女性が犠牲になり、そのお付きの女中が仇討ちを成し遂げるという珍しい時代物であった。
幸いにも大阪は身近に文楽を見ることが出来る環境にあるので、多くの人に一度は見て欲しいと思う。

2012.04.23

彩り

春です。彩り豊かな季節です。僕の好きな緑色、特に若草色が景色に彩りを添えてくれます。自然が作り出す彩りは不作為で素晴らしいです。目を惹き付けます。そんな中、私の日常には作為的な彩りによって、目のやり場に困ることがあります。
 自宅の三軒隣が銭湯です。週一回は必ず銭湯の大きな湯船に浸かるようにしています。
小さな銭湯です。スーパー銭湯の料金の約半分、公衆衛生法で定められた銭湯代410円で入湯できます。
 「どうも~」410円を番台のおっちゃんに渡し、服を脱いで入湯。「はぁ~」大きな呼吸をしながら、湯船に足をいっぱいに広げます。湯船の2割ぐらい、4、5人ぐらいの入りです。しかしこの後、7割方、作為的な彩りに出会うのです。
 まずは若い衆が入ってきます。廻りに一瞥をくれます。
その後、腕から胸、背中に尻、太ももまで彩り豊かな絵が描かれたおっちゃん達が入ってきます。私が入湯していると、毎回自宅近所にある怖い組織の人達が入ってくるのです。っといって、特に何かされるわけではありません。全く関係ない私達地元住民を避けているようで、猪首で荒縄をよじった様な腕の角刈りや坊主の彩り豊かな体のおっちゃん達は、言葉少なく、たまにきな臭い話をボソボソッとするぐらいで基本静かに浸かっています。なぜか毎度私の真正面でです。そんな時、私は静かに浸かっています。両腕を組んで目を閉じたり、不必要に天井を見上げては、「ふぅ~」と大きなため息を付いています。このように、人工で作為的な彩りのせいで、目のやり場に困りながら、リスクの伴わない楽しみはないだろうと無理矢理自分を納得させ、銭湯を満喫しています。そして、ふつうよりほんのちょっぴり軽蔑するように鼻を鳴らします。

2012.04.16

ディベートについて

 あまり気乗りしなかったのですが、友人に誘われて、コミュニケーション能力開発セミナーのようなものに参加してきました。その中で、競技ディベートというゲームがあったのですが、とても興味深かったので、ここで紹介したいと思います。
 今回は1チーム5名のチーム対抗戦でした。事前にいくつかの主題が公表されます(例えば、ドラえもんは人生を豊かにするのか?みたいな)。そして、その主題について賛成派チームと反対派チームに分かれ、その根拠を主張し合います。反対意見を述べたり、矛盾点を指摘するやり取りを交互に何度か繰り返して、より論理的で説得力のあった方が勝ち、というものです。
 このゲームの面白いところは、ディベート開始直前にチームの属性を指定されるところです。つまり、自身の意見がどうあれ、賛成派と反対派の主張を両方準備しておかなければならないということです。それなりに準備していても、予想外の反論や高度すぎる質問を浴びせられて…脂汗が滲みました。さながら言葉の格闘技みたいな感じです。
 でも、一番難しかったのは相手チームの反論や質問ではなく、チーム内の意思統一だったなあと思いました。チーム戦なので、誰か一人が発言し続けるわけにはいきません。最低でも3名が交代で発言するのがルールです。ここでチーム内のまとまりが甘いと、先の論者の発言と矛盾することを言ってしまいます。そして最終的には、まるで真っ直ぐに走らない犬ぞりみたいに、支離滅裂な論調になってしまうわけです。 この企画の主旨は、認識の共有がいかに難しいかを実感するというところもあったようなのですが、とても勉強になりました。
 セミナー前日、友人に「やっぱ行きたくない」と駄々をこねたことを謝りたい気分です。
 ところで、チームの戦績ですが、1勝2敗と微妙な感じでした。ちなみに唯一の白星は、僕が一切発言しなかったゲームでした…

2012.04.09

大手術

 一昨日の朝、私は病院の待合室で自分の番がまわってくるのを待っていました。まさかこの10数分後にレーシック以来の生涯2度目の手術を受けることになるとは。

 痛みは一年ほど前から断続的にありました。まだ大したことはないと放置したり、市販薬を使用したりしてだましだまし今までやってきましたが、しかし最近になって、ついに痛みは時折耐えがたい激しさで訪れるようになってきました。そこで、意を決して病院へやってきたのです。
診察の順番はすぐにまわってきました。
医師は私と同年代ぐらいの女医です。手早く診察を始めること30秒。「ケイガンです。いわゆる○○○○です。できてしまった以上、取ってしまうしかありませんね」の一言とともに銀色に鈍く光るメスを取り出しました。まさか・・・!?
そのまさかでした。
麻酔も無しにいきなり外科手術が開始されたのです!手際良くメスが走ります。おお!麻酔もかけていないのにさしたる痛みも感じない!緊張のせいか?女医の技術が飛びぬけてすばらしいのか?
しかし、そう思った数秒後、「あ、出血した・・」の女医のつぶやきとともに患部から血があふれだしました。ドキドキ。ドキドキドキドキ・・・・・。
女医が脇に控える看護師に指示を出しました。「絆創膏貼っといて。」「!」

手術開始からここまで1分少々。看護師がペタっと絆創膏を貼りつけて、あっという間に手術は終わりました。
女医に宣告された病名「ケイガン」は漢字でかくと「鶏眼」。いわゆる「うおのめ」です。ぜんぜん大したことありません。しかし最近は歩行がかなり苦痛になることもあったのでこれで一安心です。
絆創膏貼ったままですが、痛みは格段になくなったことと、今回のコラムのネタを仕入れることができたことで、私は安堵の表情を浮かべて自転車で颯爽と家路についたのでした。(チャンチャン)

2012.04.02

三兎を追う

 日中は過ごしやすく、ポカポカ陽気の日が増えてきました。朝早い電車をのぞいては、コート姿も見かけることが少なくなりました。このいい季節にこそ、いろいろなことをしたい気持ちになります。
 先日の水曜日も本来は休日だったのですが、少し仕事が入りました。息子と遊びにいく約束をしていたもののかなわず、十分な時間をとってやれませんでした。わたしが勝手に休日のシフトにしているだけで、世の中の半分以上の業界は営業している訳です。しかも仕事なら仕方ないと言えば仕方ないことです。しかし、まだ幼い息子に言われました。「約束してたのに…」。「仕事やねんから仕方な・・・」とその言いかけたその時、私は、学生時代の居酒屋での友人との会話を思い出しました・・・。「俺は将来、家庭を大事にする仕事人間になるねん」と言っていたことを・・・。昔からバイトも好きで、働くこと自体は好きです。嫌な思いをすることも当然ありますが、仕事を成し遂げた時の達成感にははるかに及びません。しかし、それはそれとして、私は息子との約束を守れなかった訳です。悪いのは明らかに私です。
 私は、職業人であり、夫であり、父でもあります。仕事人間に徹することなら簡単ですし、家庭人間に徹することも簡単です。しかし、すべての役回りをこなせてこそ、自分が目指していたものです。20年前の自分を失望させないためにも。

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